20代で日本一人口が少ない村の議員に!和田将之さんが選んだ生き方とは?

日本一人口が少ない村が、嶺北地域にあるのをご存知ですか?

実は嶺北にある大川村は、離島を除き日本で一番人口が少ない村。

そこではどんな人が住んでいて、どんな暮らしが行われているの?

皆さん、気になりますよね!

今回はそんな大川村に移住し、村議会の議員を務める和田将之(わだまさゆき)さんにインタビューをしてきました!

大川村 議員の和田さん

和田将之(わだまさゆき)さんのプロフィール

群馬県出身の30歳。大学卒業後、群馬の企業に就職するも「自分にはもっとしたいことがある」と農業や地方暮らしの道へ。農家さんのお手伝いや地方への短期滞在を経て、緑のふるさと協力隊として大川村へ派遣される。2014年に大川村へ移住し、現在は大川村の村議会議員として活動中。

ーーー現在の活動について、教えてください。

大川村の村議会の議員をしています。

年に4回、財政や政治の方向性を決定する村議会というものがあり、そこへ出席して、村民の意見を村長に伝えるんです。

ーーー村議会はどのように進められるのでしょうか?

村議会には議員村長や副村長をはじめとする、村の執行部が出席します。

村長は最終的な決定権を持ち、どうやって大川村を良くしようかと考える役割です。

対して議員は、村民のためになる選択がされているかをチェックします。

定例議会(村議会)の資料(和田さんのブログ「大川村の下克上!」より)

ーーー村議会以外には、どのような活動をされているのでしょうか?

研修に参加したり、村の行事に参加して住民の声を聞くといった活動をしています。

議員以外の活動としては、人材センターに登録して色々な仕事を行っています。

ーーー色々な仕事、というのは…?

地域には、ちょっとしたお手伝いを求めている年配の方もいます。

そこで、人材センターを経由して家の草刈り清掃などを行うんです。

ーーーなるほど…!和田さんが村議会議員に出馬した経緯について、教えてください。

3年前くらいに、村議会を廃止して村民総会で大川村の意思決定をしようという案が出たんです。

今ではその案はなくなりましたが…。

村民総会とは村民全員が議員となり、皆で話し合って方向性を決めるというものです。

ーーーその案に対して、どう感じましたか?

村民総会をするとなると、大川村の人々にかなりの負担がかかります。

1人1人が政治の勉強をして、会議に出席して、議論しなければいけないからです。

この負担を考えた時、手を挙げて村民を代表し、村議会を通じて大川村を維持していかなくてはいけないと思いました。

水源からホースで水を引く。この維持管理が大変だという住民の声もある。(和田さんのブログ「大川村の下克上!」より)

ーーー出馬したきっかけは何だったのでしょうか?

大川村に貢献したいという思いや、大川村に住み続けたいという気持ちがあったので、そういった村づくりのためにも出馬をしました。

また自分と同世代の若者が多い中で、そうした意見を反映させる必要性も感じていました。

ーーー同世代…というと20〜30代の方が多いということでしょうか?

大川村では、人口役400名のうち、20代〜30代が60人ほど生活しています。

地域おこし協力隊であったり、大川村出身者が帰ってきたり。

そういった若者で集まり、青年団という団体でイベントを開催したりする事もあります。

保育園の保育費と給食費が無料という事もあり、子育て世代には嬉しい場所なんです!

都会を支える地方の生活が「しっくり」来た

和田さんが住む大川村の景色。近くには渓谷の名所も。

ーーー大川村に移住する前は、どのようなお仕事をされていたのでしょうか?

出身地である群馬県で、住宅メーカーの営業をしていました。

ただ、「自分はもっとしたいことがあるのでは」とモヤモヤしていたんです。

ーーーそこで、仕事を辞めるという選択をしたということでしょうか?

勤務期間が短く申し訳ない気持ちがありましたが、仕事はやめました。

その後は、農家さんのお手伝いをしながらアルバイトをするという生活でした。

ーーーその時、なぜ農家さんの手伝いという「農業」を選ばれたのでしょうか?

きっかけは東北大震災です。

当時報道されていた原発事故を見て、漠然と都市と地域の関係性について考えるようになったんです。

ーーーというと?

それまでは電気や水がどこから来ているかは、考えていませんでした。

ですが福島にある原子力発電所を見て、都市の生活基盤は地方が支えているのだと気付いたんです。

そこから、地方で生活してみたいという気持ちが強くなっていきました。

ーーーそこから、どういった経緯で大川村を知ったんですか?

緑のふるさと協力隊という制度です。

これは住民として1年間暮らしながら、地域再生活動をする制度です。

この制度に応募し、協力隊として派遣された先が大川村でした。

ーーーそこから移住を決意したきっかけは何だったのでしょう?

1年間の活動の中で、村民の方にはとてもお世話になりました。

大川村の人が、とても温かかったんです。

お手伝いに行くと、夜ご飯をご馳走してくれたり。

協力隊の任期が終わる時、「残ってくれ」と本気で言ってくれる方がいたり。

今までこんなにも自分を必要としてくれる人がいるのかと思い、移住を決心しました。

そう言ってくれる方々とのご縁は本当に幸せだなと感じます。

「本来の生き方」を選択するワケ

ほぼ毎日、薪でお風呂を沸かすという和田さん。

ーーー大川村の魅力とは、どういった所ですか?

大川村は、山や川など大自然に囲まれています。

その中で大自然と調和しながら人々が生活しているのが大川村の魅力です。

ーーー自然と調和とは、どういったことでしょうか?

例えば、水道がないため生活用水は自分たちで引いてきます

少し離れた場所に水源地があって、そこからホースを引っ張ってくるんです。

所々に水源がある大川村。

ーーー人任せではなく、全て自分たちで生活を作っていくんですね。

朝起きて蛇口をひねり水が出なかったら、ホースを見にいかなければなりません(笑)

でもそれって本来のことなのではないかと思います。

水源の維持や水道の管理は大変ですが、本来的な生き方がここにはあるんです。

庭に積み上げられた薪。お風呂を沸かす時などに使う。

ーーー理想に向かう…という訳ではなく、本来的なものを大切にされているのでしょうか?

しっくりくる生き方というのを大切にしています。

自分たちで水道を引き、薪でお風呂を沸かす。

こうした生活は不便に見えるかもしれませんが、本来的な生き方だと思えばしっくりきます。

ーーーなるほど…。それを広めていきたいと思いますか?

この生き方を人に押し付けようとは考えていません。

まずは自分がしっくりくる生き方を選んでいく

そこに共感してくれる人がいれば良いなというスタンスで、これからも活動していきたいです。

築100年の古民家に住む和田さん。ここは風呂場だったという居間。壁が黒ずんでいるのはそこで薪を焚いていたため。

ーーー最後に、現在移住を考えている方へメッセージをお願いします。

大川村は嶺北内でも人口が少なく厳しい環境にあります。

だからこそ人があったかい

そして、協力して地域を作っていこうという空気感があります。

なので、自然の中で生活したいと考えている方にはピッタリだと思います!

大川村さくら祭りの様子。毎年楽しいイベントが行われている。(和田さんのブログ「大川村の下克上!」より)

個人的には、幅広い人材の方に入ってきて欲しいと思います。

そうして、皆で新しい大川村を作っていきたいです。

「緑のふるさと協力隊」という制度もあるので、いろいろ挑戦してみたいという気持ちがある方に来て頂ければと思います。

ーーーありがとうございました!!

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