一口食べると、なんだか子ども時代を思い出したくなる、なつかしく、やさしい味。
2020年7月にオープンした「手焼きせんべい べるりん」のおせんべいを一口食べると、そのやさしい味に心が癒されます。
一枚一枚、昔ながらの手法で、丁寧におせんべいを焼くのは、神戸から移住したという山門由佳さん。
今回はそんな山門さんに、お店のご案内、さらにはおせんべいを焼く様子もご紹介いただきました。
普段はなかなか見られない貴重な手焼きせんべいの製造過程をぜひご覧ください!
昔ながらの一枚一枚手焼きでやく「手焼きせんべい べるりん」
手焼きせんべい べるりん
土佐町にある、手焼きせんべいのお店。神戸の老舗せんべい屋で修行をしたのち、嶺北へ移住し、開業。地元の素材もおせんべいの生地に使うなど、こだわりあるおせんべいを焼く。店主の山門さんが描いたイラストを用いた、可愛い焼印も要チェック。営業日、営業時間は月・水・土の10時から15時まで。
師匠と夫がつくってくれた大切なおせんべい工房
神戸の老舗の手焼きせんべいのお店で、家事育児、仕事をこなしながら、時間をつくって、1年修行に通ったという山門さん。
そんな山門さんが営む、どこかレトロな雰囲気を感じさせる、素敵な世界観があるお店「手焼きせんべい べるりん」。
のれんをくぐると、工房横に設置された販売スペースがあります。
手焼きせんべい職人の山門さんが焼いた、シンプルな素材で焼いたおせんべいを販売しています。
営業時間は、毎週月曜日、水曜日、土曜日の10:00〜15:00。
ホーローのトレーに並べられた、季節ごとに少しずつ変わるおせんべい。
自分の好きな味を選んで、詰め合わせにしてもらうこともでき、ギフトとしても喜ばれるお菓子です。
プレーンやバター以外に、地元のお味噌や、きな粉を練りこんだり…と、いろんなタイプのおせんべいが楽しめます。
さらには、取材日当日は、手焼きせんべいの仕込みの日ということもあり、せんべいを手焼きする様子を見学させていただきました!
せんべいの「せん」は繊細の「せん」
取材に訪れたこの日はなんと、おせんべいの仕込みの日。
ということで「手焼きせんべい べるりん」のおいしいおせんべいが丁寧に焼かれていく様子を取材させていただきました。
せんべい台が同じ温度で温まるように、火力を調整したのち、まずは試し焼き。
その前に、ごま油をおせんべいを焼く鉄板に馴染ませます。
「おせんべいは鉄板がちゃんと温まれば、油を使うのは最初だけでいけるんですよ」と、山門さん。
試し焼きで問題がないようであれば、商品となるおせんべいを焼いていきます。
「手焼きせんべい べるりん」ではたくさんのおせんべいを販売されており、みそ、みそビーンズ、黒ごま、かぼちゃの種、ピーナツ、ココナッツなど、その時期によって、種類が少し変わっていきます。
その日、焼くせんべいによって、トッピングも変化。
おせんべいを焼き始めると、ちょっとの時間で焼き加減が変わってしまうので、焼き台からは離れられなくなるんだそう。
火力もちょっとした風が入ってくると、火力が均一にいかないので、暑い中でも、風のない状態でおせんべいを焼かれている様子はまさに修行そのもの。
「せんべいの「せん」は繊細の「せん」」と山門さんのイラストとともに工房に飾られた文字は、まさにその通りでした。
材料が小麦粉、卵、砂糖というシンプルな素材だからこそ、奥が深い、手焼きせんべいの世界をのぞかせていただきました。
老若男女に愛される店をめざして
—いつオープンされたのでしょうか?
2020年7月29日にオープンしました!
—「手焼きせんべい べるりん」という店名ですが、「べるりん」という名前の由来は?
喫茶店を営んでいる母が、スイスの地名で「モントルー」という名前で喫茶店をしていて、その名付けの理由が、テレビで観て、きれいだったからということでした。
それならば、私は「行ってよかったところ」ということで、ドイツのベルリンから「べるりん」にしました。
—おせんべいを作る上でのこだわりを教えてください。
最近では、どんどん型を回して焼くという「手焼き」のスタイルが、職人の高齢化や継承者の不在等の問題で失われていっている現状があります。
そんな時代だけれども、一枚一枚、手焼きすることにこだわりを持って焼いています。
決してたくさん焼くことはできませんが、おもしろいと感じて、やっています。
手焼きせんべいに感じた魅力
—せんべい屋さんになったのは、やはり昔からおせんべいが好きだった…とかそういった理由からでしょうか?
実はおせんべいよりも、生菓子が好きでした。
しかし、おせんべいは日持ちもするし、時間に追われず、家でもできる仕事で、自分の描いた絵も使えるなと思ったんです。
せんべい自体は直感でこれだ!と思い、老若男女、国籍問わずに食べていただけるし、発送もできます。
素材もシンプルで、焼印もあることで、オリジナルの商品が作れると思ったのも理由です。
—おせんべいの材料もこだわりがあるのでしょうか?
国産の小麦粉、北海道のものを使って、中に入れるトッピングを高知県やれいほく産のものを使ったおせんべいを作っています。
これからもっと、そういった地元に根付いた種類のおせんべいを増やしていきたいです。
一人前になるには10年かかる、手焼きせんべいの世界
—地元密着型のおせんべい屋さん、とても素敵です。開業してから心に残っているエピソードなどあれば教えてください。
実家である喫茶店を継がないことにショックを受けていた父に「お前の焼いたせんべいが食べたい」と言ってもらえたことが心に残っています。
しかし結局、病気で食べさせてあげることができず、最期、棺にたくさんおせんべいを入れてあげました。
—そうだったのですね。でもお父さまもきっと喜ばれていることと思います。おせんべい屋さんはしていて、やりがいを感じるときはどんなときでしょうか?
やはり「おいしい」と言ってもらい、喜んでもらえることがなによりの喜びです。
せんべいは日持ちもし、地方発送もできるので、私の代わりに日本のあちこちを旅しているように思えて楽しいです。
いつも宛先を書きながら、その土地に思いを馳せています。
—自分の代わりにおせんべいが旅をする。その旅先で笑顔が広がっていると思うと、うれしいですね。逆に苦労、大変だと感じたことはありますか?
すべて1人で作業しているため、手が回らない時、どうも上手く焼けないときが悲しいと感じます。
火の加減やトッピングとの相性のよしあしもあり、せんべいを焼いて1人前になるには10年かかるというので、一生修行だと思っています。
—シンプルだからこそ奥深いんですね…。最後に、今後の展望などあれば教えてください。
自分のペースで長く仕事を続けられたら嬉しいです。
自分の体に負担をかけすぎず、無理せず働く、オープンすると決めた曜日はお店をきちんと開けて、それに合わせて仕込みをする。
せんべいは50日くらい、日持ちがするので、そういう意味でも、無理なく働けるのではないかと思っています。
自分の直感を突き進んできたからこそ今の生き方がある
「手焼きせんべい べるりん」の山門さんのお話を聞いていて、すごく直感を大事に行動されてきたんだなと感じました。
「手焼きせんべい べるりん」のおせんべいは、山門さんのそんな人生が反映されてきたかのようで、食べると元気のもらえるおせんべいです。
そんなおせんべいは、土佐町にある工房横の店舗で購入ができるので、ぜひ訪れてみてくださいね。
「手焼きせんべい べるりん」
営業日 毎週月曜日、水曜日、土曜日
営業時間 10:00~15:00
そのほか、臨時休業などのお知らせはInstagramでチェックすることができます→「手焼きせんべい べるりん」インスタグラム
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