「田舎に移住して、古民家に住んで、自分たちでDIYしながら楽しく暮らしたい!」
そういう暮らしに憧れる方が増え、そういった内容のYouTube動画なども最近ではたくさん見かけるようになりました。
ということで・・・。
今回はそんな暮らしを嶺北地域で実践しているという、川端聖佳(かわばた せいか)さんのおうちにお邪魔し、インタビューをしてきました!
家探しの話から、古民家暮らしならではのお話もたくさん聞いてきましたので、是非ご覧ください。
最後には、川端さんが夫婦でこれから取り組もうとしている、セルフビルドでの家づくりについてもお聞きしてきたので、そちらもお楽しみください!
山の中に佇む、平屋の古民家
川端聖佳(かわばた せいか)さんのおうち
本山町の汗見川地域の古民家を借りて暮らしている。2015年に夫・俊雄さんと暮らし始め、夫婦2人でコツコツとセルフリノベーション。夫・俊雄さんは自ら大工として、耐震改修工事も行なった。ニワトリやヤギを飼ったり、狩猟をしたり、薪風呂や薪ストーブを取り入れ、田舎暮らしを楽しんでいる。
この家なら理想の暮らしができると思った
—さっそくですが、今住んでいるこのおうちはどのようにして見つけられたのですか?
実は嶺北地域は空き家があるようで、そこまで数が多くありません。
そんな中、空き家を見つけられたのは、夫がたまたま役場の方から、こんな物件があるよと聞いていたことがきっかけでした。
—空き家が少ないとは意外ですね。この家にされた決め手はなんだったのでしょうか?
夫が先にこの家に目をつけてくれていて、「2人で暮らすならこの家がいい」と思ってくれていたようです。
私自身、嶺北地域に移住したてのころだったこともあり、こんなに山奥で大丈夫かなと少し不安はありつつも、自分が思い描く、理想の暮らしができるという気持ちもあり、夫とよく相談をした結果、この家に決めました。
さらに、この家がある汗見川地域は自然環境もとても素晴らしく、地域行事やイベントも盛んに行われているエリアで、すごく元気で楽しい活動をされている方が多いというのも決め手のひとつでした。
—いいですね!実際に住んでみてどうですか?
住むことを決めてから、1ヶ月くらいはひたすら家の中にあるものの整理や片付けを行う日々がつづきました。
田舎の方ってよくもわるくも、物を大事に保管されるので、この家に住みはじめたときの一番の衝撃は、雑誌が30年分以上捨てられずに置いてあったことでした(笑)
実際に住んでみて感じるのは、自分自身もここで根を張って暮らすと、この家で暮らされていた方の暮らしがすごく想像できるということです。
—…というと?
いま住んでいる家は季節に応じて、いろいろな果実が実ったり、お花が咲くんですよね。
おそらく、すごく植物が好きだった方が住まわれていたんじゃないかな、と思ったりすると、すごく心が和みます。
あとは、離れの小屋裏にたくさんの木材が保管されていたりするところをみると、「昔は自分たちで繕いながら暮らされていたんだなあ」とか、そういうことを考えながら暮らすのも、古民家の楽しみだなと感じています。
—前に住まれていた方も喜ばれるでしょうね。メリットをあげていただきましたが、デメリットは感じられますか?
メリットはあげてもあげきれないほど、たくさんあります。
しかし、デメリットもいくつかあります。
やはり昔ながらの家なので、湿気対策があまり施されていないため、梅雨時期は湿度に毎年悩まされています。
特に高知県は全国的に見ても、雨がよく降る地域で、今までカビたことがないモノでも普通にカビるので、自分にもカビが生えるんじゃないかと思うほどです(笑)
あと、自由にのびのび暮らせるのは山の中で暮らすメリットですが、逆に言うと、すごくアクセスが悪いです。
ですので、車がないと暮らせないのは、自分が歳をとると大変だろうなとも感じています。
—そうですよね。ここらへんはバスが通っているようですが、本数はそんなに多くないですもんね。
木こりの夫婦の家のこだわりポイント!
というわけで、さっそく川端さんのおうちの中のご案内をしていただきました。
玄関を入るとすぐに、土間があり、かまどや普段料理をされている調理台などがあります。
住み始めの頃は、台所は湿気により痛んでいて使えるような状況ではなかったとか。
ご近所の方に中古のシンクをいただいて、一から調理台や収納棚をつくったそうです。
台所のすぐそばには、夫・俊雄さん手作りの杉のテーブルがありました。
そして、つづいてはリビングに案内していただきました。
右の黒い鉄製のものが、薪ストーブ。
今はすでに廃業となってしまいましたが、地元の製鉄所で作られたものを使われているそうです。
隣にある机も自作したものだったり、ロッキングチェアもいただいたものだったりと、「買う」以外の選択肢が、そこにはたくさんありました。
こちらは聖佳さんが作られた、子ども用の見せる収納ができる本棚。
この本棚にしてからは、保育園に通う2人のお子さんも自分たちで片付けができるようになったとか。
こちらも自分たちで製材した木を使ったり、端材や廃材を使って作られたそうです。
自分から出た排泄物は自然に還す
嶺北地域では、コンポストトイレを導入している方が多いですが、川端さんもそのひとり。
もともとは、この家には屋外に別棟でトイレがありましたが、便槽が古くなり、汲み取りができないと言われたことをきっかけに、コンポストトイレに切り替えることにしたそうです。
コンポストトイレは、大小分離といって、おしっことうんちを混ぜずに、別々にすることが匂いがでないようにするのがポイントなんだとか。
おしっこは、ジョウロの先端部分を加工し、取り付け、20Lタンクに入るようになっています。
うんちは生ごみ処理機「自然にカエル」という商品を活用されています。
豊かな自然の中で、動物と暮らす
さらに、川端さんのおうちには、現在カモが2羽、ヤギが2頭、犬が1匹と、動物がたくさんいます。
カモは、もともと合鴨農法で除草用に飼われていたところ、「大きくなりすぎて手放したい」と思っていた前の飼い主から譲り受けたとのこと。
さらには、2年前から飼い始めたトカラヤギという品種の小型ヤギもいます。
名前は「ホタル」と「ゴロウ」で、聖佳さんが好きなテレビドラマ「北の国から」が名前の由来なんだそうです。
ヤギ小屋は、もともとニワトリを飼っていた小屋を活用しています。
ニワトリはたぬきやイタチなどの獣害でやられ、数年以内に引っ越しをする予定があるので、それまでは我慢…!
川端家の今後の展望「セルフビルドで家を建てる」
—セルフビルドで家を建てられるということですが、なぜそのような選択をされたのでしょうか?
夫がセルフビルドで家を建てるのがずっと夢で、私もその夢に惹かれて結婚したようなものなんです(笑)
もともと、私たち夫婦が出会ったのが、2015年に高知県安田町で開催された「いえづくり教習所」。
DIYスキルを直接大工さんから学べたり、建築知識を設計士さんから学べる1ヶ月間の長期ワークショップでした。
そのワークショップに参加し、出会ったから「セルフビルドで家建てたい!」と言われても、できる気がして、いつしか一緒に私もその夢を叶えたいと思うようになりました。
—素敵ですね。今後のスケジュールは決まっているのでしょうか?
昨年、家を建てるための土地が決まり、今はその地目変更を行っている最中です。
その間に、自分たちが伐った木を製材したり、設計士さんや左官屋さんなど専門の方の知識や経験談をアドバイスとしていただきながら、家づくりに向けて、計画を企てている最中です。
来年中には着工できたらいいなと考えています。
また一緒に家づくりを楽しむ仲間も随時募集していこうと考えているので、またYouTubeチャンネル「セイカの暮らし便り」やSNSなどをチェックしてもらえたら嬉しいです!
—ワクワクしますね。今後の家づくりの様子もぜひ発信していってください!今回はありがとうございました!
【編集後記】田舎は生産的な暮らしを楽しめると強い!
今回、川端聖佳さんの暮らしをみて感じたのは、消費的な暮らしではなく、生産的な暮らしが楽しめる人は、田舎暮らしを満喫できるんだろうなということ。
「モノは少ないけど、その分自分たちで作る。」そんな考えがしつくり来る方は田舎暮らしがオススメです。
川端さんはYouTube以外にも、ツイッターやInstagramでも情報発信されているので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
【川端さんSNS】
YouTubeチャンネル 「セイカの暮らし便り」
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