夫婦で林業・子育てを両立!「子供中心移住ライフ」に密着してきた!

仕事と子育ての両立って大変ですよね

子どもが小さいと体調も崩しやすいですし、仕事を急に休むのに調整が必要だったり・・・・。

ということで・・・・。

今回は、2歳と3歳の子育てをしながら働いている川端俊雄さんに、働き方について突撃取材してきました!

しかも、川端さんがやられている仕事は林業!!

「林業と子育てってどうやって両立させているの???」

なんて疑問が湧いてきそうですが・・・!!!

家族で地方移住を考えている方林業を仕事にしたい方にはヒントになるものがあると思います!ぜひ最後までご覧ください!

夫婦ふたりで同じ仕事をしながら子育て

チェーンソー製材の様子(写真提供:川端俊雄さん)

川端俊雄さんの林業

本山町地域おこし協力隊の林業振興活動員として、3年間活動したのち、同じ協力隊の仲間と「山番LLP」を立ち上げる。2020年秋からは独立し、夫婦で「ヤドリギ」という屋号で林業を営む。夫婦で仕事をしていることから、子どもの保育園の時間に合わせた働き方を実践。

子どもと一緒に暮らしながら、林業を営む

道作りの様子(写真提供:川端俊雄さん)

—具体的に林業とはどんな仕事内容なのでしょうか?

一口に林業といっても、いろいろな仕事があります。

私が主にやっているのは、搬出間伐といい、手入れが必要な人工林に入って、木を間引きし、それを山から出して、売る仕事です。

—その木はどこに売るのでしょうか?

売り先はいろいろあり、特に本山町は近隣に木材市場やパルプチップの工場、直接買ってくれる木工所など、さまざまです。

出てきた木が一番生かされるところに、求められる形で、販売していくことが自分たちの収入アップにもつながります。

—-なるほど。日々、どのようなスケジュールで働かれていますか?

今は夫婦で林業をしているので、自分たちのペースに合わせて、スケジュールを立てることができます。

具体的に言うと、子どもたちを保育所に送って、保育所に迎えに行くのに合わせて、仕事を終えます

それに加えて、林業以外にもさまざまな複業を組み合わせて、生業としており、季節に合わせた仕事をしています。

一つの仕事をこなすだけではない、季節に合わせた働き方

製材をする川端さん(写真提供:川端俊雄さん)

—複業はどのようなことをされているんですか?

夏の盆過ぎから、春までの間は林業のハイシーズンなので、それ以外の時期に、いろいろな複業をしており、林業に関わる植林や造林の仕事を請け負ってやったり、夏は花火師として働いたりしています。

—花火師…!すごいですね。

その他、毎年毎年同じ仕事をしているわけではなく、その時々で声かけしてもらういろいろな仕事をさせてもらっています。

林業で起業!リアルなお金の話

—最近では林業は儲からないなど、そのような話も聞きますが、ぶっちゃけ林業での収入はどのくらいあるのか、お構いなければ教えてください。

山といってもいろいろな山があり、お金になる山もあれば、なりづらい山もあります

私たちがやらせてもらっている山はどちらかというと、後者の方で、決して稼げる仕事ではないというのが正直なところです。

ですが、誰かがやらねばいけない仕事でもあるので、無理のない範囲でそういう山を施行し、複業やイレギュラーの支障木伐採などで帳尻を合わせるようにしています。

世帯年収は400~500万円くらいですが、その半分くらいが林業によるものです。

—なるほど。とっても参考になる話ですね。川端さんは林業で起業されたとのことですが、どのようにして起業されたのかお話聞かせてください。

地域おこし協力隊の任期中に資格をとったり、研修を受けたり、自分たちで現場をおさめたりして、経験を積んだのち、卒業のタイミングで協力隊卒業生の3名で林業の団体を立ち上げました。

—起業して、苦労されたことはありましたか?

山の方は次々に声をかけていただき、仕事に困ることはありませんでしたが、お金になりづらい山で経営を成り立たせるために、木材の6次産業化をしようと製材機を購入したり、一から製材を勉強したりしました。

林業だけではなく、製材業の方のスタートアップも重なり、そのあたりがなかなか大変でした。

—その後は、林業の6次産業化もあって、うまく軌道に乗ったのでしょうか?

初年度、2年目こそは、赤字でしたが、3年目からは軌道に乗り、林業と対をなす収入の柱になりました。

林業は恩送りの仕事。後世に残したい山づくり

川端さんのお子さん(写真提供:川端俊雄さん)

—すごいですね。ズバリ林業のやりがいはなんでしょうか?

だいたいが人工林で、仕事をしているわけですが、人工林というのは、人が手を入れ続けなければ、成り立たない山になっています。

手入れが遅れて災害の原因になることもあり、収入を得つつも、山のお世話をすることで、残る山も、よりよい山が残るよう仕事をして、結果的にそれが次世代に受け継がれることになるというところが、最大のやりがいだと思います。

—林業は恩送りの仕事とも言われますもんね。逆に林業をやっていて、辛いと感じたことはありますか?

個人的にはあまりありませんが、妻がたまに辛そうな顔をするので、それが辛いです(笑)

—やはり女性には林業が大変なのでしょうね。今は夫婦で林業をされているということですが、夫婦で林業をする強みとかはありますか?

いろいろありますが、一番は、信頼関係が築けていることだと思います。

—大事なことですね。最後に川端さんが林業に携わる中で抱く展望などあれば教えてください。

まず本山町で林業従事者をもっともっと増やしたい

それとは矛盾するように思われるかもしれませんが、多すぎる人工林を調節して、季節を感じられる広葉樹の山をちょっとずつ増やしていきたいと考えています。

というのも、林業は木を伐ることだけが林業だけではなく、育てたり、お世話をしたり、人に山に来てもらったりいろんな形があると考えているので、本山町の山を人工林一辺倒ではない、楽しい山にしていきたいです。

—素敵な展望ですね。今後のご活動も応援しています。今回は貴重なお話、ありがとうございました!

【編集後記】自分の世代だけで終わらせない取り組みの魅力

遊休地となった茶畑を手入れする川端さん(写真提供:川端俊雄さん)

今回こうして川端さんのお話を聞いていて、林業という仕事がいかに私たちの生活環境に影響を及ぼすのかを考えたくなりました。

れいほく地域に暮らしていると、山に囲まれ、山が近い存在であれど、実際に人工林に入る機会はめったにありません。

しっかり手入れされた山が、川や海につながっていて、それらの環境保全にもつながる。

そう考えると、林業という仕事は尊い仕事であり、私たちの生活においても必要不可欠な仕事です。

今ある環境は、私たちより上の世代の方々が作ってきてくださったものであり、この先を生きる子どもやさらにその子どもたちの世代にも、美しい水資源や自然環境を残せるように、私も身の回りからできることをしていきたいと思いました。

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